THE・GEESE尾関が深く語るブログ

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トコブシについて語る3

 「ギチギチ、ギチギチ」
虫が動いているような音で由美子は目を覚ました。時計を見るともうお昼を回っていた。枕元を見るとカブトムシのメスが由美子の枕の下にもぐろうとしていた。もう産卵の季節なのね、由美子は田舎の祖父母を思い出そうとしたが、強烈な尿意に現実に引き戻された。
 トイレに立ちながら由美子は不思議に思っていた。
 一体ここはどこなのだろう。自分はどうしたのだろう。昼だというのに院内は静まり返っていた。まるで見覚えがない病院。隣のベッドの黒木メイサと名乗る女。枕もとのカブトムシのメス。尿意。スリッパ。黒木メイサ。尿意。廊下。黒木メイサ。尿意。黒木メイサの尿意。

 気がつくと再びベッドに横になっていた。どこからどこまでが夢なのか、現実なのか。まだクラクラする頭をベッドから起こすととりあえずこの不気味な病院から抜け出すことにした。
 「やったるで」
 不思議なことに力が体のそこから沸いてくるのを感じる。
 由美子は病室から勢い良く飛び出したのだった。


 続く
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| | 2007年10月28日(Sun)01:55 [EDIT]


 

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